APRICOT参加記

APRICOT55

2/27 - 3/2にJPNICの若者支援でAPRICOT 2023というカンファレンスに参加してきました。
https://www.nic.ad.jp/ja/intl/fellowship-program/apricot-2023.html
https://2023.apricot.net/
アジアのさまざまなネットワークオペレータと話すことができ良い経験でした。
この支援は来年もあることが予想されるのでもし興味がある人は来年応募してみるといいと思います。

夏にAPNICカンファレンスが京都で行われるのでそちらの若者支援も何かしら行われるらしいです。

記憶に残ったセッション:

Opening Ceremony and Plenary Keynote: Security Implications of QUIC (Paul Vixie)

感想:Paul Vixie氏によるQUICのセキュリティへの影響についての講演。QUICは、UDPの上に構築され、ユーザーモードで実行され全ての通信が暗号化されます。しかし、これにより、従来のエンドポイント検出/対応(EDR)システムが機能しなくなります。ネットワークオペレータはアプリケーションが悪さをしないことを信用していないため、QUICなどの新しいプロトコルを利用した通信をブロックすることが難しい状況に直面しているという話。

自分は今までアプリケーションの目線からしかQUICの話を聞いてこなかったため、ネットワークオペレーションからみたQUICについての議論は新しい視点で興味深いものでした。

slides: https://2023.apricot.net/assets/files/APPS314/2023quicapricotkeyno_1677476997.pdf

 

APNIC IPv6 Deployment Deploying IPv6-mostly access networks

セッションでは、一部のデバイスにはIPv4IPv6アドレスを配り一部にはIPv6アドレスのみを配るIPv6-mostly access networkについて話していました。

モバイルデバイスIPv6-onlyネットワークに対応していることや、デスクトップ環境でのIPv6-onlyネットワークの問題点について初めに触れ、さらに、DHCPオプション108を使用してIPv4をオフにする方法や、PREF64 RAオプションの取り扱いに関する詳細な説明がありました。これにより、IPv6-mostlyアクセスネットワークを実現するための具体的な手順や、ネットワーク管理者が実際に実施すべきアクションについて知ることができました。また、RIPE 85会議でのIPv6-mostlyネットワークの実際の運用経験についての報告があり、IPv6-mostlyネットワークの実用性と効果についての具体的な事例が紹介されました。これにより、IPv6-mostlyアクセスネットワークが現実的な選択肢であり、今後のIPv6展開において重要な役割を果たす可能性があることがわかりました。こちらのIPv6-mostlyネットワークを自分でも試してみたいと思うことができました。

slides: https://2023.apricot.net/assets/files/APPS314/apnic55-deployingipv_1677492529.pdf

 

Peering Forum

Peering ForumではPeerをしたい人がそれぞれのASの説明をする時間があり興味深かったです。それぞれのASのピアリング担当の人が自ASがどのようなタイプのネットワークか(ISPCDNかIXPかコンテントを持ってる人か)Peerlng location , traffic type, Peering policyについて前にでて自己紹介をしていました。APRICOTらしいところを見ることができました。



Internet Technology

Internet Technologyのセッションの3つのトークは結構自分にとって面白いものでした。

The New, Encrypted Protocol Stack & How to deal with it

新しい暗号化されたプロトコルスタックQUICの概要と、それに対処する方法が説明されました。QUICプロトコルの急速な普及により、通信内容が暗号化されるため5tupleから得られる情報がへるため、通信量から通信の種類を予想する話。

slides: https://2023.apricot.net/assets/files/APPS314/the-new-encrypted-pr_1677641996.pdf



A Quick look at QUIC (Geoff Huston)

2つ目のトークでは、QUICの計測プラットフォームの設定や計測結果について紹介されました。Keepalive Timersの値やOSによるDNSの行い方の違いによってQUICの使用率が変わることや、国が検閲を行っているところではQUICを使用禁止にするためにUDP 443がブロックされている話などが行われた。

slides: https://2023.apricot.net/assets/files/APPS314/2023-03-01-quic-apri_1677636425.pdf



IETF Roundup forAPRICOT 2023 (Dhruv Dhody)

IETFの概要と、APRICOT/APNICコミュニティに関心を持つべき開発や活動について説明。アジアのオペレータがIETFに参加し、困っていることを共有することに意義があることが強調された。質疑応答では、オペレータがIETFに参加したいと考えているかどうかが議論され、IETFやネットワークコミュニティについて再考する機会となりました。

slides: https://2023.apricot.net/assets/files/APPS314/ietfroundupforaprico_1677642156.pdf

 

APNIC AGM 3

GaurabさんがECをやめるとのことで選挙の結果が出るまでみんな感謝を順にマイクで伝えてた。南アジアをAPNICに連れてきた大きな貢献をされた人らしい。

いろいろあって最後に選挙の結果が出る。

選挙は結構会期中いろんな人と話していて話題になっていた。隣に座っている人がすごい緊張していた。

最初にMazさんYoshinobu Matsuzaki

Kenny Huang (台湾)さん

隣の人がWe Wonって言ってた。

Roopinder Singh Perharさん (インド)。拍手

Anlei Hu さん(中国)。拍手

5人目悪い人(拍手少なめ)5位なので当選ならず

残りの人が順番に呼ばれる。それぞれちょっと拍手

現職の2人以外で当選した2人が立って拍手をいただく。

隣に髭のおじさんの当選した人がいて人が何人か来て握手してた。



 

https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2023/20230302-01.html

前村あきむらさんがオープンマイクでJPNICが出す声明について話していて、セッションが終わった後に喜んでいる人たちの会話を聞いていたらJPNICの声明について

“It was concise, JPNIC does a great job. You should be proud”

って言われた。

 

Nominee statements

https://2023.apricot.net/elections/nominations/yoshinobumatsuzaki/

https://2023.apricot.net/elections/nominations/kennyhuang/

https://2023.apricot.net/elections/nominations/roopindersinghperhar/

https://2023.apricot.net/elections/nominations/anleihu/

ECになる人の経歴見るの面白い。

 

 

セッション以外の感想

ネットワーキング

オープニングセッションやMeet the APNIC EC Social、APRICOT 2023 Closing Socialなど、多くのソーシャルイベントが開催され、数多くの参加者と交流する機会がありました。特に、Paul VixieさんやGeoff Hustonさんとお話しできたことは強烈な印象を残しています。また、セッションの間には会場で軽食を提供され、多くの人が会話を楽しんでいました。このような場に参加させていただくことで、参加者がどのような会話をしているのかを知ることができました。

 

昼食は会場で提供されており、知らない人がいるテーブルに参加して会話を楽しむことができました。さらに、APRICOT公式の懇親会以外にも、会場ホテルのバーで開催された夜の飲み会など、多くの場で参加者と交流を深めることができました。今回は多くの人からアドバイスをいただくことができ、非常に有意義な経験を積むことができました。